相続税の申告に必要な資料とは①|マイナンバー、身分関係

この動画では、これから相続が発生し、相続税申告の準備をしなくてはならない方や、将来相続が発生した場合に、どのような書類を準備しなくてはならないかを知りたい方に向けて、相続税申告で必要となる書類についてお伝えする内容となっています。
相続税の申告においては、資料の回収が相続人にとって負担となる場合があります。回収資料を把握し、効率的に回収をしていただければと思います。全4節の内、今回第1節では、相続税申告で必要となる書類として、マイナンバー関係、身分関係についてお話しします。この動画が相続税の申告を必要とする方のお役に立てれば幸いです。

相続税の納税義務者の要件について

相続税の納税、申告が必要かどうかの判断として、まず相続される財産の合計額が基礎控除の金額を上回るかどうかがポイントとなります。基礎控除の金額は3,000万円に加えて相続人の数×600万円で算出されます。例えば、配偶者と子ども2人の合わせて3人が相続人ならば、3,000万円+600万円×3となり、基礎控除金額は4,800万円となります。この例の場合、相続される財産が4,800万円以下であれば相続税は発生せず、申告は必要ありません。なお、法定相続人という用語がでていますが、今回はテロップの説明のみで詳細の説明は省かせていただきます。より詳細なことや他にもわからない用語等あれば弊社までお問合せ頂ければと思います。

本題の相続税の申告における、資料の回収について

最初に、個人番号いわゆるマイナンバー関係についてお話します。個人番号は、相続人の分のみが必要となります。亡くなった被相続人については、準備をしていただく必要はありません。
まずは、相続人の個人番号を確認する書類についてです。相続人の個人番号は、相続の申告書に記載する事項となっており、記載した個人番号が正しいものであるのか確認するため、申告書を提出する際に個人番号を確認できる書類を合わせて提出することとなっています。いわゆる「マイナンバーカード」をお持ちの方は、裏面をコピーして提出できるようにご用意ください。「マイナンバーカード」をお持ちでない方については、通知カードのコピーを提出できるようにご用意ください。通知カードについては、新規の発行は廃止されておりますが、氏名、住所が住民票と一致している場合に限り、使用することができます。もし、個人番号を確認する資料が手元にない場合は、個人番号が記載された「住民票」をご用意ください。

続いて身元確認書類についてです。相続人本人が実際に申告をしているのかどうか、その確認をするための書類です。いわゆる「マイナンバーカード」をお持ちの方は、表面をコピーして提出できるようにご用意ください。「マイナンバーカード」をお持ちでない方については、運転免許証や健康保険証などのコピーを提出できるようにご用意ください。なお、相続税申告を税理士に委任する場合については、本人確認書類は必要ありません(相続人からの税理士に対する税務代理権限証書と、申告書を作成した税理士の税理士証票を添付することとなっています。)。
続いて、身分関係の書類についてお話します。 まずは戸籍謄本についてです。 これは、亡くなった被相続人について、その相続人が誰であるのかを確認する資料となります。 必ず出生から死亡までのものを用意する必要があります。 現在の戸籍謄本は、コンピュータ化され、画面右下のような縦長の戸籍謄本となっておりますが、 以前は、手書きの戸籍謄本である改製原戸籍を使用していました。 この改製原戸籍については、被相続人の本籍地で取得をしてください。 住所地と本籍地が異なる場合もありますので、ご注意をお願いします。 また、本籍地を移転されていた方は、その移転前の本籍地での改製原戸籍の取得も必要となってきます。 必要十分な改製原戸籍を収集することは大変な場合もありますが、これがないと相続人が誰であるのかが確定せず、今後の資料収集も進まなくなってしまいます。 相続が既に発生している場合は、早急に用意しましょう。 なお、不動産の相続登記を依頼することを前提に、改製原戸籍の取得を司法書士に依頼することもできます。
次に、住民票についてです。実は、相続税申告に必ず必要という書類ではありません。ただ、実務上では、不動産の相続登記で必要となるため、住民票を依頼しています。被相続人については、画面にあるように「除票」と記載されたものとなります。相続が発生してからすぐですと、まだ除票と記載されていない可能性があるので、数日経過してから、除票と記載されていることを確認して取得してください。
続いて、被相続人の戸籍の附票についてです。この附票には住所の移り変わりが記載されています。附票は、相続時精算課税制度の適用者がいる場合もしくは、老人ホームに入所していた被相続人で、小規模宅地の特例の適用を受ける場合に必要となります。該当する可能性がある場合は、用意しておくとよいでしょう。

戸籍謄本、住民票、戸籍の附票、それぞれについては、相続人についても準備をします。戸籍の附票は、被相続人と同じく必要な場合に取得します。なお、身分関係で説明してきたこれらの書類は司法書士への依頼が可能となっています。
続いて、印鑑登録証明書です。印鑑登録証明書は、相続において遺産分割協議書を作成して、それに押印してある印鑑が相続人の実印であるかの確認のために用いられます。よく、相続人の方から印鑑登録証明書の有効期限について質問を受けることがあります。相続税の申告、相続登記については、基本的に期限はありません。取得後何か月以内の印鑑登録証明書、という縛りはありません。
一方、金融機関などで相続財産の名義変更をしようとする際に、取得後何か月以内の印鑑登録証明書、と求められることがあります。相続開始直後は、すぐに印鑑登録証明書が必要となるケースは少ないので、もし比較的取得が容易である方であれば、遺産分割協議書を作成するころに取得するのもよいでしょう。平日等に市役所などへ行く時間があまりない方は、とりあえず取得しておきましょう。もし、金融機関等で使用する際に有効期限を超えてしまっていたら、改めて取得することとなります。 多くの市役所では、土曜日又は日曜日に窓口を開けているところもありますので、そちらの利用も検討してください。 また、住民票と住所が異なる場合は、使用することができません。 相続の手続き中に引っ越しを予定している方、または引っ越ししてまもない方は、印鑑登録証明書の住所が住民票などと一致したものを用意してください。

今回のまとめと次回目次

今回第1節では、相続税申告で必要となる書類として、マイナンバー関係、身分関係についてお話ししました。
次回第2節では、不動産関係の書類、預金関係の書類について、お話しします。